第11章 朝暉
【翔】
繋がったまんま、
智くんがあんまり可愛いこと言うから…
あー、もお〜///
俺はまた、泣きそうになる。
なんなん……マジで…
俺、こんなキャラでもねぇーはず…
こんな自分に、
自分が一番驚いてるよ…
人間ってさ、
こと恋愛に関してなのかな?
障害があるほど燃えるってあると思う。
周りが、あんなやつ止めとけ…
って、反対されればされるほど。
あいつの良さなんが、分かんないくせに、とか。
逆に強く固執しがちになるんだろう。
『恋は盲目』とはよくいったもんだよ…ホントに。
智くんと俺には、大きな壁があった。
メンバー内ってだけでもそうなのに、
そん中に恋人がいて。
『恋の障害』なんてレベルじゃないくらいに、ここまで来るのに色々あった。
今までの俺なら、こんな事しなかっただろう。
この年になって初めて、全てを捨てても欲しいと思う人が……
それが、20年も一緒に歩いてきた智くんだなんて。
………遠回りしたのかな?
……いや、
きっとそうじゃない……
その全てが、俺と智くんにとっての必要な時間とプロセスだったんだ、きっと……
だから、今………
「……さとしくん…」
「しょおくん…?」
「愛してるよ」
「…んふ♥️俺も…」
……潤……ごめんよ。
やっぱりこの人だけは、譲れなかった…
……大事にするから。
命に変えても。
心の中でそう呟いて、
俺はまた、智くんの甘い唇に、この日何度目かのキスをした。
鼻の奥がツーンとして、
俺はそれを誤魔化すために、
密着したその細腰を抱えて最奥を穿った。