第11章 朝暉
「んっ…あぁ…翔くんっ…もっとぉっ…」
それなのに。
翔くんはゆっくりゆっくり腰を揺らすだけで…。
「ねぇっ…もっと激しくしてっ…」
早くイキたくて、そう強請ると。
翔くんは額に汗を滲ませながら、優しく微笑んだ。
「だ~め♡」
「え~っ、なんでぇ!?一緒にイコって言ったじゃん!」
「だってさ…智くんの中、温かくてすっごい気持ちいいんだもん。もっと味わってたい」
だけど、翔くんの答えは思ってもなかったもので…。
うわ…
今
ずきゅーんって心臓打ち抜かれたし!
「しょおくん…♡」
「智くんはイヤ?さっさとイキたい?」
「ううん!いやじゃないっ!しょおくんともっと一緒がいいっ!」
張り切って声を張ったら、翔くんはぶふぉって吹き出した。
「あなたね…いったい何歳なの?子どもみたい」
呆れたような言葉だけど、なんだかとっても楽しそうで。
釣られて、俺も笑ってしまった。
「えー?ダメ?」
「ダメじゃないよ。カワイイ♡」
「ホント?おじさんだけど、カワイイ?」
「おじさんってか、おじいちゃんみたいだけど」
「もーっ!ひどいっ!」
「だって、精神年齢60歳でしょ?」
「そうだけどっ!体はまだまだ若いしっ!」
俺が知ってる今までのセックスは
ただただ快楽を追い求めるだけのもので
こんな風に繋がったままふざけあうのなんて考えられなくて
でも
すごく楽しい
それはきっと
相手が翔くんだからなんだよね?
「翔くん…」
「ん?なに?」
「俺…今、すっごい幸せだよ?」
「なによ、突然」
「だって…言いたかったんだもん」
ちゃんと言葉にして
何度でも伝えたい
俺が今
人生で一番幸せだって感じてること
「…うん…俺も…智くんとこうやって繋がってて、すっげー幸せだ」
「翔くん…」
「だから、これからもずっとこうしていよう?」
「うん…うん…」
何度も頷くと。
翔くんはちょっと照れ臭そうに微笑んで。
優しいキスをくれた。