第11章 朝暉
“ピキッ…”
そんな効果音が聞こえた気がした。
「…へぇ~、智くんは俺に会えなくっても、そんなエロビデオみたいなのがあればいいんだ?」
「そ、そんなこと言ってないじゃん!」
「言ったし」
「言ってない~っ!」
さっきまで甘々な空気だったのに
なんでこんな展開に!?
「そう言ってんのと同じだろ~?」
「違うしっ!」
「俺は、ちゃんと智くんと向き合って、ちゃんと智くんに触って。ちゃんと2人で気持ちよくなりたいって思ってんのにさ…悲しい…」
怒ってたかと思ったら、今度は悲しそうに顔を伏せてしまって。
思わず、腕に縋り付いて、下から覗き込んだ。
「お、俺だってそうだよ?ちゃんと翔くんに触って、一緒に気持ちよくなりたいよっ!」
「…ホントに?」
「うん!ホント!」
まだジトッと睨むから、必死に首を縦に振る。
「ホントにホント?」
「ホントにホント!」
「じゃあ、変なこと思ったこと反省した?」
「したした!」
「じゃあ…お仕置き、受けるよね?」
「うんっ!お仕置き…って…ええっ!?」
翔くんが、ゆっくりと顔を上げて。
悪~い顔で笑った。
やべぇ…
嵌められた…!?
「だったら、俺の言うこと聞けるよねぇ?」
「え…?う…ぁ…」
ジリッとにじり寄られて。
反射的に後退ったら、シーツの皺に引っかかってベッドに仰向けに倒れちゃった。
翔くんが、普段からは有り得ないくらいの素早さで俺の上に乗っかってくる。
「お、お仕置きって、なに…?」
見下ろす瞳は、愉しげにキラキラ光ってて。
思わず、ごきゅっと喉が鳴った。
「…ここ…」
翔くんの指が、足の間を割ってきて。
後ろをするりと撫でる。
「うひゃっ…」
「自分で、用意してみせて?」
「えっ…ええっ!?」
天使の微笑みで。
悪魔の囁きを吐いた。