第11章 朝暉
【智】
…バレてるし…
も~っ、いつもニブチンのくせに、なんでそんなのはわかるかな!
「なぁに?そんなに俺にくっつきたかったの?」
後ろから包み込むように抱き締めて。
からかうような目で俺の顔を覗き込んでくる。
「ち、違うもんっ!」
「へぇ~、ホント?じゃあ、これはなに?」
腹の辺りにあった翔くんの手が、ゆっくり降りてきて。
ハーフパンツの上から、ソイツをぎゅっと握った。
「あんっ…」
突然来た刺激に、思わず声が出ちゃった。
「ちょっと、勃ってるね♪」
だってさ!
翔くんの髪の毛から俺と同じシャンプーの匂いがして
それがこれからやってくる甘~い時間を想像させて
ウズウズしちゃったんだもん!
「あっ…しょ、くんっ…」
いつもは不器用な手が、こんな時ばっかり器用にハーフパンツの中へと入ってきて。
下着の上から、オレの形をなぞるように指先が蠢く。
そのなんとももどかしい刺激に、思わず腰が動いた。
「なに?」
「…んっ…それ…やだ…」
「やだ?なんで?」
「だって…」
「だって?はっきり言わないと、俺、鈍いからわかんないよ?」
翔くんの声が、一気に色っぽくなる。
うう…
翔くん、いつもはすっごく優しいくせに
こういうとき意外とSなんだ…
「…ね…お願い…」
恥ずかしい…
けど…
「…俺の…」
もう我慢できない!
「触って…?」
絞り出すように声にすると、いつもはくりくりの大きな目がすうっと細められて。
「良く出来ました、智くん」
唇の端に、どきっとするほど艶やかな微笑みを浮かべた。