第11章 朝暉
念入りに…そりゃあもう、これ以上はないっていうくらい念入りに身体を洗った俺は、急いで身体を拭いた。
いくらその後すぐに脱ぐとしてもさ。
全裸で行くわけにもいかないじゃん~?
やっぱ、ムードっていうの?大事でしょ、それも♡
俺は家から持ってきた白いTシャツと一張羅の下着を身に着け、鏡を見つめた。
………
松潤…
幸せにするから…智くんのこと
ずっと側で、彼のこと全身全霊…
俺の全てで愛して、守り抜くから…
だから………
心の中で、何度も繰り返した俺は、
「よしっ///」
頬を軽く2回たたいて、愛しい人が待つ、寝室へと向かった。
ベッドの上に腹ばいになり、何か読んでいた智くんは、ドアが開いた音に急いで振り返った。
「なに…読んでたの~?」
「えっ?何って…つり情報…つーか!翔くん!!」
「はい!」
「そんなぬれた髪じゃ、風邪ひくでしょ?」
「え~?大丈夫だよ…直ぐに乾くし」
「だ~め!ちょっと待ってて」
言うが早いか、智くんは、ベッドを飛び降りて、寝室を飛び出して行ってしまった。
かと思ったら、ドライヤー片手に舞戻って来て、
「ハイ!ここに座って!!」
と、ベッドに俺を座らせて、後ろに回ってドライヤーをかけ始めた。
「…適当でいいよ」
「ちゃんと乾かすから!」
そう、少し怒った顔で、俺の髪を乾かす智くん…
ふふふ…何で俺、このタイミングでこんな怒られてんの…
考えたらおかしくて。
おかしいけど、何だか、頭皮を撫でる彼の指と、ドライヤーの熱が心地よくて…
暫くの間、彼の為すがまま、身体を預けていたけど。
………何かさ。
さっきから、妙に身体が当たる気が…
背中にさ…
智くんの腹っていうか、脚っていうか…
………ワザとか…
俺は、頭の周りを動き回る彼の手首を捕まえて引き寄せた。
「あっ…」
その反動で、ラグの上にドライヤーが落ちた。
「もう~!何すんだよ、急に~」
ふくれながら、落ちたドライヤーのスイッチを切る智くんの背中に、
「あのさ。わざと、身体擦りつけたよね?」
と言うと、智くんはそのまま固まった。
ほ~らね、図星♪