第11章 朝暉
「おかえりっ!」
チャイムが鳴った瞬間にドアを開け、その胸に飛び込むと。
どんぐりみたいな目が真ん丸になった。
「た、ただいま。そこで待ってたの?」
「うんっ!」
だって、早く会いたかったんだもん!
「今朝も会ってたじゃん」
わざとらしく、呆れた顔を作られたけど。
照れてるだけってバレてるよ!
だって目尻がめちゃくちゃ下がってるもん!
「でも会いたかったの!翔くんはそうでもなかったの?」
だから、俺もふて腐れた顔を作ると、翔くんの表情が緩む。
「う・そ♡早く会いたかった♡」
「んふ♡俺も」
俺よりちょっとだけ上にある顔を見上げると、唇を突き出してくる。
「ん!」
「なに?」
「おかえりのちゅー、してくれないの?」
まさか、翔くんの方からそんなこと言ってくると思わなくて。
思わず笑っちゃった。
翔くん、かわいい♡
「ほら、早く」
そっと目を閉じた翔くんの頬を両手で包み、ゆっくりと唇を重ねる。
外から帰ってきたばかりの唇は、ちょっとだけ冷たくて。
自分の熱を分け与えるように自分ので包み込んだ。
すぐに翔くんの舌が俺の唇を割って入ってきて、俺のと絡み合う。
「んっ…」
もっと密着するように腰を強く引き寄せられて。
翔くんの舌が、俺の奥深くに入ってきて。
絡み合ったところから、甘い痺れが広がっていって。
「んっ…しょ、くん…」
体に力が入らなくなって。
凭れ掛かった俺を、翔くんは強く抱き留めてくれた。
「どうしたの?腰、砕けちゃった?」
「…うん」
からかうように言われたけど、つい素直に頷いちゃった。
だってさ~!
今日一日、悶々としてたんだからねっ!
「ふふっ…じゃあ、シャワー浴びてくるよ。今日は寝ないで待っててよ?」