第11章 朝暉
【翔】
『宇宙で一番好き』
な~んて…中学生みたいな愛の言葉を交換した俺たちは、四捨五入すると40のいい大人な訳で…
そんないい大人のはずの俺も、
やっと聞くことが出来た智くんの心からの言葉に、
不覚にも泣きそうになって…
慌てて、その愛しい塊を胸にしまい込んだ。
……いいんだ
もう、誰に遠慮しなくても…
智くんを俺のものにしても…
彼を大切にすることが、俺が松潤に出来る唯一の贖罪だと思って…
夢みたいだ!!
こんな日が来るなんて…
俺…
俺さ……
どのくらいの時間、そうしていただろう?
このまま時間を止めたい…
そう思うくらいに、幸せで、
嬉しさが止めどなく溢れ…
「あの…翔くん…」
「えっ?な、なになに??」
名残惜しいけど、彼の身体を少しだけ離して、大好きな丸顔を覗き込んだ…
このいくつになっても可愛らしい輪郭のせいで、
見ようによっては20代前半に見え……
「あの…」
「あ、ごめ…」
「ん…」
「えっと…何だっけ?」
覗き込んでいた顔に近付くように首を傾げて覗き込むと、智くんはぱっと赤くなって目を反らせた。
ん??
「翔くん…俺たちさ、もう、恋人同士?」
「うん、そう、思うけど…何でそんなこと…?」
「……」
あ………
耳まで赤くして恥じらう彼の風情は…
恋人のこんな姿は…
恐らく…
間違ってると恥ずかしいけど…
いや、間違いない!
「智くん、お風呂って…」
「俺は、もう入ったよ」
「入った?あ、そう!入ったんだ…」
智くんはついに、両手で顔を覆ってしまった。
智くんから言わせちゃって、俺…
「じゃ、俺さ、風呂入ってきてもいい?」
コクリ…智くんは小さく頷いた。
これって、やっぱりそう言う事だよね?
恋人同士の、夜の営み♡
あ………営みって言葉に、
俺のむすこが少し反応した。
まあ、待てって!慌てんなよ~
「急いで入ってくるから、智くんさ、ベッドで待ってて!」
「ベッドで?」
「あ、なんか生々しかったかな~?」
焦る俺に、智くんはクスッと笑って、
「生々しい事するんでしょ?」
と言った。