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kagero【気象系BL】

第11章 朝暉


【翔】

智くんが何か言う前に、
と、強引にその身体を引き寄せて、胸の中に閉じ込めた。

「……」

一瞬にして身体を硬くした彼の鼓動が、俺と重なる


シナリオなんか用意してこなかった。
計算なんかない、そのままの俺の言葉で、
包み隠さない俺の気持ちを、伝えたい…
そう思うから……


「好きだよ」
「…翔くん…」

「俺と、付き合って欲しい」

ゆっくりと彼の身体を離しながら、そう告げた。
智くんは、俺の顔を見ずに俯いている。

「悩むことなんかなかった…松潤が何て言おうと、
好きだから…
自分の気持ちに正直に、智くんが好きだって、
智くんが欲しいって、そう言えばよかったんだ」

「そんなの…」
俺の言葉を遮って、智くんが顔を上げてそう言った。

「…そんなのさ…無理だよ…」

「何で無理なの?」
「だって///」

智くんの目が不安にゆらゆらと揺れた。

「…俺は、潤を、傷つけた」
「だから?」
「だから…幸せになっちゃ、ダメなんだ…」

最後は消え入りそうな小さな声で…


「俺は、ニノと相葉くんに酷いことして、二人を傷付けた…松潤にも…
俺は最低な人間だ」
「そんなことな…」
「そんな俺は、もう、幸せになる権利は、ない?」
「……」
「俺なんかは、もう幸せを掴んじゃいけない?」
「そんなことない!…翔くんは、幸せに、なるべき、だよ…」

またしても、最後はごにょごにょと口籠る智くん…

俺は、さっと立ち上がって、彼の前に跪いた。

驚いて、目を見開く彼に、
俺は一世一代の告白をする。


「智くん…今まで20年、同じグループで歩いて来て、
苦しい時も、辛い時も、励まし合って今まで歩いて来た。だよね?」

「…うん」

「俺にとって、大野智という人は、いつしか、
誰よりも近くて、誰よりも俺を理解してくれる、
大切な人になっていた
それは、グループという括りを抜きにしても、
俺の人生に、欠かせない唯一無二の存在なんだ」

「翔くん…」

「俺は幸せになりたい…それには、智くんがいなきゃダメなんだ!だから…
この先、俺と一緒に歩いてください…」

そう言って、右手を彼の前に差し出した。

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