第10章 慈雨
えっ…?
松潤……
『仕事終わったら、相葉くん家来てくれない?』
相葉くんの家に…?
俺が…?
どうしよう///
相葉くんからも入っていた
『心配しないで来ていいよ』
って…
相葉くんがいるなら…
いや…
相葉くんがいなくたって、松潤が来いっていうんなら、行かなきゃな…何をおいても。
俺はそのまま智くんに電話を掛けた。
松潤のLINEのこと告げ、
「大丈夫だから。その後、智くんちに行くからね」
聞かれてないけどそう言うと、
智くんは『うん…』と小さく答えた。
相葉くんのマンションへ行ってインターホンを押すと、直ぐにロックが解除された。
松潤が俺を呼んだわけを、あれこれ考えていると、
あっという間に最上階。
ドアの前に立って大きく深呼吸すると、
突然目の前でドアが開いた。
「わあぁっ…ビックリした!」
「翔ちゃん、もう来る頃だと思って~、さあ、入って入って!」
相葉くんに背中を押されてリビングに入ると、ローテーブルの前に松潤が座っていた。
「お疲れ~」
そう言われ、戸惑った俺は、
「ああ、お、おちゅかれっ」
……二度噛んだ。
「親父が餃子持って来てくれてさ~!二人じゃ食いきれないから♪」
相葉くんはビールを俺に手渡しながら言った。
「ニノは~?」
「撮影なんだって!さ、飲も飲も!」
俺たち3人は、相葉くんの親父さんお手製の餃子をつまみにビールを飲んだ。
なんだか、不思議な感じだ。
あの後、松潤とこんな風に飲むなんて…
「俺、翔くんに酷い事言って…ごめんね」
不意に松潤が俯いたままそう言った。
えっ??
ちらっと相葉くんを見た松潤は、相葉くんが大きく頷いたのを見てから先を続けた。
「始めは許せないって思ったよ、翔くんのこと…
でも…でも、翔くんのせいじゃなかった…
俺たちもう…俺がどんなに足掻いても、元には戻らなかったんだ…俺が浮気しなくても…翔くんが入って来なくても…きっと終わってたよ…」
「そんな…こと…」
相葉くんが、一生懸命に言葉を選んで話し続ける松潤の手を強く握った。