• テキストサイズ

kagero【気象系BL】

第7章 湖月


【翔】

「……あ、そう言えば、大野さん、
熱出したみたいですね~
あの人でも熱出すんですね…」

えっ??今何て…?

「誰が、どうしたって?」

マネの車の中、片方にイヤホンをして
ニュース動画を見ていた俺は、
マネの言葉をほとんど聞いていなかった。

でも、
今、大野さんがどうとか、って…
そう言ったよね?

「だから~、大野さんが熱を出したって言っ…」
「で?どうしてるの?大野さん!?」
「あ~、なんか、松本さんが看病してるみたいですよ~、ちょうど休みだからって…」


……なんだって…?

松潤が、大野さんを…?


………よりを…戻した、とか?

いや……そんな、はずは…


………どうして……?


「どうします?マンションに帰る前になんか買って…」

「自分の家にいるの??」

「は??」

「だから!大野さん…熱って…入院してるの?」

「ああ、大野さんの家にいるみたいですよ?
たまたま、松本さんが家に行ったらしくて。
でも心配しなくても、
松本さんがちゃんと看病するからって、
言ってたみたいですし~」


……たまたま、熱出した?
そんなこと…ある訳……

智くん……

看病が必要なほどの熱なの?


…………まさか…?

松潤が、看病するって……


「じゃあさ!なんか、お見舞い持って行ってみよっか!」

信号待ちで止まっていたマネは、
ミラー越しに俺を見て、

「ああ、それならダメですよ~
誰も来ないようにって、松本さんに強く言われてますから~」

「来ないように…?どうして??」

「さあ~?感染るからじゃないですかね~?」


ああ…感染る……
………そうか…まあ、そうだよな…

それぞれが、穴を空けられない仕事抱えてるからな…下手に貰っても困るしな…


「で?何か買ってきますか??」

「えっ?ああ、今日は、いいや…」

「じゃ、真っ直ぐ帰りますね~」


考え過ぎなのかもしれない…
ホントに熱で、看病を……

でも……


………どうしてこんなに、
胸騒ぎがするんだ?………

/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp