第7章 湖月
知ってるよ?
その涙は悲しいからじゃない…
欲しくて…イキたくて仕方ないんだ…
瞳の奥に欲情の青い炎が大きくなる…
「さとし…」
「じゅん…イキ、たい…」
「聞こえないよ…何て言ったの?」
「あああ///潤…意地悪、しないで…」
「言ってよ?智…俺なら智の願い、叶えてあげられるよ?」
唾液で光った智の唇が、ゆっくりと動く…
「潤…お願い…イ、か、せて…」
そのはっきりと届けられた言葉に、
俺は秘かにほくそ笑む…
ほらね…?あなたは、俺なしじゃ、
生きていけないんだよ…
だって、この身体…開いたのは他でもない。
俺なんだから…
今更、翔くんなんかに渡さないよ…
後ろに差し込んだ指を二本に増やし、
ソコを強めに擦りながら、
滾りを咥内に取り込んだ。
「やぁ、潤…ダメッ…もう、出ちゃう、から…」
ダメなんて口先だけのくせに…
ホントは待ってたんだろ?
空いた手で根元を扱きながら、
俺は、舌先を絡めたその先を、強く吸い上げた。
「あっ、あ…潤、あ、あ、あ…イクイクッ…んあぁ///」
咥内で踊るその先から、智の熱が、
何度も吐き出された。
浅い息をしながら、俺を見つめる彼に、
見せつける様に喉を鳴らして飲み込んで見せた。
それからは、欲望に素直になった智に、
逆に追い立てられるように身体を繋いだ。
俺の上で、踊るように腰をくねらせて、
貪欲に快楽を追い求める小さな身体が、
何度目かの精を飛び散らせて、智は意識を手放した。
ベッドに沈んだ痩身を、強く強く抱き締めた。
智…お前を離さない……
汗と精液とでベタベタな身体を清め、
その裸身に、静かにタオルを掛けた。
それから俺は、智のマネに電話をして、
智が俺の家で熱を出したから、暫く看病すると告げた。
俺たち二人のスケジュールを調節してくれることを確認し、うつるといけないから、俺のマンションには誰も近づけないように言った。
キッチンで、冷蔵庫からミネラルウォーターを出してのどを潤した俺は、
寝室に戻って、眠る智の顔を見つめた。
…智…ずっと一緒にいようね…
口に含んだ水を、智の口に流し込む俺の手には、
さっきの白い手錠が揺れていた。