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kagero【気象系BL】

第7章 湖月



床に尻餅をつき、
驚いたような顔で俺を見上げる智くん。

俺は黙って携帯を手に取り、
そのまま電源を切った。

「翔くん………」

「智くん……」

「…………」

「智くんの恋人ってさ、
苦しいほどに愛している人ってさ……

松潤、だよね?」

「………」

黙っていることが全てだ。


どうして……

ニノと相葉くん…
そして智くんと松潤…

メンバー内で、
たった5人のメンバーの中で…

しかもさ。

俺たち全員、男なんだよ?


そんな理屈で結論が出せない事、
俺だって嫌というほど分かってる。

相葉くんと身体を繋いで、ニノを泣かせた。


そして今度は、智くんと……

知らなかったじゃすまされないよな。

智くん…ごめんね…
同じ過ちを繰り返す訳にはいかないんだ。

あなたの事は、好き…だけど…

その向こうに松潤がいるのなら、俺がどうこうできるもんじゃない…

「ごめん…智くん…」

「翔くん…俺さ…」

「あなたの恋人が松潤で、まだ繋がっているのなら…俺は手を出すことは出来ないよ…」

「………」

「二人の関係に、この後けりがついたなら…
それでも、その時智くんが、俺を必要としていたら…その時は、想いを叶えてやれる、かもしれない…
でも今は、無理だよ…」

「しょおくん…」

「松潤のところに帰れよ…」

「……」

「着替え、取って来る…」

そう優しく言ったけど、智くんは泣きそうな顔をしたまま、何も言わない。

仕方なく、智くんが着てた服を取りに行こうとした。


その時……

「翔くん!!」

背中にどしんとぶつかってきた智くん。

「お願い…このまま、俺を抱いて…
翔くんに迷惑かけないから…だから」

「迷惑何て…そんなことは…」

「このまま俺を突き離さないでよ…翔くんが…翔くんが欲しいんだ…どうか…お願いだから…お願い…」

このままじゃ、過呼吸になる。

「分かった!分かったから…落ち着いて…」

俺は、智くんの身体を、包み込んで抱き寄せた。


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