第6章 霧海
横抱きに抱きかかえると、ニノは恥ずかしそうにしながらも、素直に首に腕を巻き付けてくれた。
「ニノちゃん、可愛い❤」
その頬にキスを落とすと、くすぐったそうに身を捩る。
「そういう恥ずかしいこと言うな」
「なんで~?今日は思いっきり甘やかすって決めたもん」
「は?そんなの、頼んでないし」
さっきは素直に好きって言ってくれたのに、もういつものあまのじゃくに戻っちゃった。
でも…
こっちの方が、なんか安心する♪
「なんだよ、ニヤニヤして」
「べ~つに♪」
「…スケベ」
「そうだよ~、スケベだもん」
ベッドの上に降ろすと、軽く睨んでくる。
「エロ星人」
「ひっどいな~」
「変態仮面」
「ぶふっ…それ、俺じゃないし。なんだったら、パンツ被ろうか?」
「ヤメロ」
憎まれ口を叩きながらも、俺がTシャツを脱がそうと裾に手を掛けると手助けするように両手をバンザイしてくれた。
「な~んだ、素直じゃん❤」
「うるさい。さっさと始めろよ、バカ」
「ひっど…」
言葉はヒドいけど、その目はウルウルと潤んでて。
早く俺に触って欲しいって、そう言ってるんだよね?
そっと、露わになった首筋を撫でる。
「んっ…」
小さく、震えた。
そんな些細な仕草が、すごく愛おしい。
「なに~?もう感じちゃった?」
「うるさい、あいばか」
「じゃあ、これは~?」
存在を主張するようにピンと立ってる乳首を指先で弾いてやると、また震える。
「あんっ…」
「感じる~?」
「んもう!優しくするって言ったじゃん!なんでSなんだよ!」
「だって、ニノちゃんが可愛すぎる…」
言いかけた言葉は、噛み付くようなキスに遮られた。
するりと入ってきた舌は、火傷しそうなほど熱くて。
脳みそが、痺れた