第5章 霖雨
「はっ…あ、あっ…しょお、くんっ…」
翔くんの滾りが奥を突くたび、ビリビリとした快感が体中を駆け巡る。
「あ、あっ…もっと…もっと欲しいっ…」
知らなかった…
自分が、こんなに貪欲だってこと
翔くんが俺の中を抉るたび、俺と翔くんの体温が混ざり合ってく。
でも、それでも足りなくて。
もっともっと、一つになりたくて。
境界線なんて、なくなるほどに
今まで、セックスなんか数え切れないほどしたけど。
こんな気持ちになったことなんてなかった。
いつもは、ただ、その場の快楽に流されるだけ。
こんな風に、ひとつになりたいだなんて、そんなこと…
潤とだって、感じたこと、ない
「…智、くん…?」
翔くんの戸惑った声が聞こえる。
なんだろうと思って、目を開くと。
熱い雫が、目尻を伝って落ちた。
「…翔くん、もっとして…」
零れ落ちる涙はそのままに、俺はその先を強請る。
翔くんは一瞬だけ眉を下げたけど。
雫で濡れた目蓋にそっとキスをしてくれて。
「…ひとつに、なろう…」
強く、抱き締めてくれた。
「あ…あ、あっ…も、くるっ…」
「…っく…智くん…俺、もうっ…」
「んっ…翔くんっ…一緒に…」
大きなうねりが、俺と翔くんを包み込んで。
翔くんの熱を受け止めながら。
俺も、全てを解き放った。
「…っは…智、くんっ…」
息を乱しながら倒れてきた翔くんを抱き留めると、汗で湿った肌がぴったりとくっつく。
それが、スゴく心地良くて…
変なの…
こんなに汗だくなのに…
「…智くん…」
「…翔くん…」
間近で見つめる瞳は、とても綺麗で…
…ずっと…見ていたいな…
そんなことを思ってしまった