第5章 霖雨
「はっ…あぁっ…智、くんっ…」
翔くんの吐息が、どんどんピンク色になってく。
それがとっても色っぽくて。
もっともっと色っぽい翔くんが見たくて。
俺は片手で玉を転がしながら、もう片方の手で棹の部分を扱き、尖端を吸い上げる。
「あっ…ちょっと、それ、だめっ…」
口の中の塊が、一回り大きくなった。
止めどない露が零れ落ちて。
翔くんの味が、広がる。
「あぁ…ヤバ…智くん、もう、離して…」
切羽詰まった、声。
小刻みに震える、足。
桜色に染まってく、体。
翔くんが全身で、快感を表してくれて。
見たい。
翔くんの、イクとこ。
俺は、じゅるっと音を立てて、強く吸い上げた。
「あ、あっ…ダメだって…!」
震えが、大きくなる。
気持ちよさそうに目蓋を閉じてる翔くんを見つめながら、追い詰めるように扱く手を早めると。
ゆっくりと目蓋が開き。
欲情に濡れそぼった瞳が、宙を彷徨って。
やがて俺を捉えた。
「…出すよ?智くんの、口の中に」
ゾクリとするほど艶めいた声で囁き。
手を伸ばして、俺の頬を愛おしそうに撫でてくれる。
その目線と動きに、全身が総毛立った。
返事の代わりに、口の中のそれを強く吸ってやる。
「あ、あ、あ…出るっ…!」
短い叫び声がして、翔くんがぶるっと震えて。
喉の奥に、熱い欲が放たれた。
びくんびくんと痙攣しながら、何度も俺の口の中に吐き出す。
最後まで出し切るのを待って唇を離し。
翔くんの瞳を見つめながらそれをゴクンと飲み込んだ。
熱く濡れた瞳が、ゆらりと揺れる。
「いっぱい出たね?そんなに気持ち良かった?」
口の端から零れた欲を、見せつけるように舌を出して舐め取りながら訊ねると。
翔くんが、また小さく震えた。
「智、くん…」
その漆黒の瞳の中に映る俺も、欲情に濡れそぼった顔をしてる。
「…来てよ…」
それを見つめながら、伸びてきた手に身を任せた。