第5章 霖雨
【翔】
……俺が与える刺激に、
小さく反応する智くん…
なにか悩みがあることは分かっていた。
それが所謂色恋関係なことも…
智くんには恋人がいて、
それが男なんじゃないかって…
何となくだけど思っていた。
でも、それは個人の問題だし、
本人が幸せならばそれが一番だから、
とやかく言う事もしないし、
余計な詮索をするつもりもなかった。
だけど……
幸せじゃないんなら…
こんな悲しい顔をさせる奴なら…
申し訳ないけど踏み込むよ?
だって智くんは俺にとって、家族と同じくらい、
いや、もしかしたらそれ以上に大切な人だから…
胸の先の敏感なところを外して、
円を描く様に、その周りの柔らかいところを舌先で舐めると、智くんは待ちきれないように身体をくねらした。
……可愛い…この人の、こういう姿…
見たことないから…
まあ、当たり前だけどね…
恋人といる時は、この人が下、なのかな?
この反応ってことは…
「…あっ…しょうくん…そこ…んっ」
……見えない相手に…
智くんのことを、こんな風に当たり前に鳴かせていたやつに、嫉妬を覚える。
そんな自分に驚きながらも、
もっと乱れてく彼が見たくて…
可愛い声をもっと聴きたくて…
「そこって、どこだよ?言ってみて~?」
わざと、揶揄かうようにそう言ってやると、
智くんは涙を溜めた少し赤い目で俺をじっと見つめた。
「…やっぱりね…」
思いがけない彼の言葉に、
「何がやっぱり??」
すると、上目遣いに俺を睨んで、
「翔くんって、こういうことする時、絶対ドSだって思ってたけど、やっぱりだよ…」
そう言った。
こんなさ、ある意味緊迫した場面なのに、
そんなこと言って拗ねて見せる彼が、
もう可愛くて…
俺は迷わずに、
期待して勃ち上がる粒にしゃぶりついた。