第4章 天泣
【和也】
ベッドに顔を付け、腰だけ高く上げた格好のまま、雅紀は自分の孔に指を這わせた。
躊躇う指先がゆっくりとソコにたどり着き、
周りをそっと撫で始める。
緊張なのか、震える指先と、俺の前に晒された雅紀の蕾…
……初めて見た…
何度も身体を重ねても、
そう言えば、俺…雅紀のこんなとこ、見たことなかった…
俺の知らない場所が、まだ残ってなんて…
そこに…
俺さえ知らなかった場所に…
あの人が……
あの人が……
そう思うだけで、俺の内臓はまたグラグラと沸き上がって来る。
「そんなんじゃ、陽が暮れちまうよ!
もっとしっかり解さないと、いつまでたってもイレらんね~よ///」
俺が……
俺じゃないみたいだ…
たかが嫉妬くらいで、こんなに激情に飲み込まれる自分…今まで知らなかった。
「…ごめ…」
小さく、消えそうな声でそう言った雅紀は、
目を閉じて、今まで撫でていただけの指先を、ゆっくりとその場所に埋め始めた。
「…んんっ…」
くぐもった声が漏れる。
………いやらしい…
…こんなやらしい格好、あの人の…翔ちゃんの前で見せてたんだ…
最低だな、お前……
………俺も、最低だ。
愛する人に、
たった一人の愛する人に、こんなことさせて…
誰よりも大切な人に、こんな辱めを強いておいて、
平気な顔して……
「…ん…っつ…ぁっ…」
唇を噛みしめた雅紀の指が、
広げる様にしながら奥まで届く。
我慢しようと閉じられた口元から、思わず漏れ出る甘い矯声…
……それだけで、そんな感じるんだ///
あの人に、すっかり開発されたって訳か…
翔ちゃんの笑顔が脳裏に浮かんだ。
どんなつもりで雅紀を抱いたの??
俺のこと知っていながら…
俺たちの関係、分かっていながら…
俺の事、
笑ってたのかよ//////