第8章 十六夜月
"年頃の娘が肌を晒すな!?"と小屋から出てきた葉月に説教をした
政宗と光秀がニヤニヤしながら家康を支えた
"部屋着です"と答えた葉月は"早く家康の手当てを"と言った
俺は家康を担いで急ぎ家康の御殿へと送り届け
信長様に報告するため城へと急いだ
「ほぉそれで葉月が一人で片付けたと」
「はい。捕まえた男を尋問したところ
葉月が聞き出した通り賊はあそこにいた者たちだけのようです」
広間に入っていくと丁度光秀が信長様に報告をしているところだった
「片づけただけでなく尋問までしたのか
その葉月は家康の御殿か?」
「はい。家康の看病をしているようです」
「あの~信長様」
「なんだ桜花」
「お見舞いに行ってもいいですか?」
「お前も葉月みたいに素手で倒せたりするのか?」
「無理無理無理!!
武器があっても勝てないよ!?」
政宗の言葉に焦った様子で顔を左右にブンブン振る
「フッ確かに相手が子供でも勝てそうにないな」
「む~酷いです光秀さん!」
怒る姿はまだまだ子供だな...
「桜花、葉月にこれを渡せ」
頬を膨らませ怒る桜花に信長は麻袋を投げたそれには金平糖が入っていた
「甘いものは疲れに効く」
「信長様!またこのような甘いものを!!」
いったいどこに隠していたんだ?
「うるさいぞ秀吉
話は以上ださっさと行ってこい」
手で追い払われ仕方なく広間を出た
大事そうに麻袋を持つ桜花と一緒に家康の御殿に向かった
「葉月は強いから心配はしてなかったよ全然!?」
『あらあら桜花言葉と態度が全然違うわよ?』
ぎゅっと葉月に抱きつく桜花
葉月はクスクス笑いながら背をポンポン叩いた
「こーら、ちょっと離れろ桜花
葉月の手当が出来ないだろ?」
葉月の怪我は床を壊したときに出来たと思われる切り傷のみで大きな怪我はなく安心した