第7章 満月
「やあ姫君」
「わざわざ来てやったぞ」
広間には安土組だけでなく春日山組の5人がいた
『信長様これはいったい....』
「見てわからぬか?
祝言に決まっている」
左右に分かれ鎮座する武将たちの間を信長に手を引かれ歩く
上座に二つの膳が並んでいてその一つへと座らされた
『家康は何処でしょうか?』
「忘れ物したって
御殿に取りに帰っちゃったの」
「あやつの事は放って先に始めてるぞ」
それを合図に政宗が厨から料理を運んで来た
美味しい料理に舌鼓をうち酒が進む武将たち
「今日も美しいね姫君」
「信玄様の言う通り綺麗だよ葉月
なぁ、家康さんやめて俺にしない?」
「そんなこと言ってはダメじゃないか大翔
所で俺だけの姫にならないかい?」
それぞれが葉月の手を取りにこにこと微笑む
「また始まった
おいっ佐助良いの...ん、佐助どこ行った?」
「アイツなら彼処だ」
謙信が顎で示す先に視線を送る
「姉さん共々よろしくお願いします」
嬉々として武将たちにお酌する佐助の姿があった
「佐助の代わりに相手をしろ幸村」
「はいはい。分かりました」
家康が居ないまま祝言と言う名の宴は続いていく
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「.....何これ」
広間の惨状を見て呟いた
祝言が始まって一刻ほどたったころようやくやってきた家康
入った直ぐのところには政宗がうつ伏せに倒れそれを介抱する三成
なぜか号泣している秀吉と桜花
佐助の忍者ライフや忍び道具を興味深そうに見入る光秀と信長
謙信に酒の飲まされ続け青い顔の幸村
涼しい顔をして静かに酒を浴びるように飲む謙信
そして......
「なあ葉月~俺にしろよ~」
「いやいや、俺だけの姫になってくれるよな?」
中央に座る葉月の手を握り口説く信玄と大翔の姿