第7章 満月
「と、言うわけで信玄様から
迷惑料としていろいろ巻き上げてきました」
「佐助君容赦ないね....」
「これじゃあまだまだ足りないくらいだよ」
どこに隠し持っていたんだ!?
と、思うほどの品々を次々に広げながら
珍しくニッと口角を上げ笑った
この時代では珍しい商品を持ち上げては
これはなんだ?と聞いてくる秀吉に
一つ一つに丁寧に答える佐助
その横で桜花は白い布の塊を見つけた
「それはウエディングドレスです」
「うわぁ!」
広げるとシンプルな真っ白のロングドレスが現れた
「ねぇ葉月
これ私が預かってもいい?」
『勿論いいわよ』
「ありがとう!?
最高のドレスにするね」
「桜花さんこれもどうぞ」
「ベールもあるの!?凄い久々に腕がなるよ
はっ!インスピレーションが降りてきた!!?」
興奮気味に布を抱きしめ立ち上がり
広間を走って出ていった
「アイツ仕立ての事となると人が変わるな」
「桜花様はお仕事熱心ですね」
呆れ声で見送る政宗とにこにこと微笑む三成
「佐助これはなんだ?」
光秀がヒョイと持ち上げたのは
南蛮の品々の中で一つだけ仲間外れの小さな壷
「これは謙信様からです」
「葉月開けてみろ」
光秀から壷を渡された葉月は
縛られていた紐を解き中を覗きこんでみると
小さな壷の中には沢山の梅干しが詰まっていた
「なんで梅干しなんだ?」
「梅干しには疲労回復の効果や血糖値の上昇を抑えたり
肝機能を高め酔いを防止する効果があります
なのでお酒のあてに食べてください」
一通り商品の説明を終えた佐助は
祝言には是非呼んで下さいと言って春日山城へと帰っていった