第7章 満月
「祝言前に手を出すとはな」
「は....?」
葉月の頭を撫でていた信長の手が止まり髪を後ろに流した
「キスマーク!!」
「きす...?なんだ魚か?」
近くにいた桜花が目ざとく首筋の赤い痣を見つけて
頬を仄かに赤く染めながら口元に手を当て叫んだ
「違う違う!!え~と...葉月パス!?」
『....キスは魚の鱚ではなく口づけ
マークとは印のことです』
「ほぉそのまあくとやらがあると言うことは
お前も男だったのだな」
「....何が言いたいんですか光秀さん」
「つまりだ!
あんなに許嫁を嫌がってたのにする事はするんだなってことだ
祝言前に孕ますなよ家康」
「政宗さん一緒にしないでください」
「言葉を選べ政宗!?」
「でもでもっ!葉月と家康の子供だったら
男の子でも女の子でもとっっても可愛い子だと思うの!!?」
「そうですね俺も桜花さんに一票」
「「「!?」」」
音もなく天井から現れた佐助は桜花の横に腰を下ろした
「でしょ~そう思うよね!?」
「はい。是非一番に抱かせてほしいです」
「え~ダメだよ
一番は親友の私でしょ!」
「何を言ってる
最初は城主である俺に決まっているだろう」
突然現れて会話に参加した佐助のことには一切触れずに
信長はさも当然のように自分が一番だと主張した
「では俺は二番に抱かせて下さい」
無表情で小さく挙手をする佐助
「あー狡いっ佐助君!」
「おいっちょっと待て!?お前何でここにいるんだ!!?」
「皆さんお久しぶりです
姉さんが心配で様子を見に来ました」
わなわなと震える指で佐助を指さす秀吉に簡単に説明をした