第6章 待宵月
「さ~す~け~朝だぞ」
「起きろ」
佐助の部屋に朝早くに遠慮なく入ってきた大翔と謙信
しかし褥から出ている足を見て謙信は入り口で動きを止めた
「あれ?
佐助の足ってこんなに白くてもちもちしてましたっけ?」
大翔は遠慮なく褥に近づき出ている足をツンツン突いた
もぞもぞ動いて隠れるようとする足首を大翔はがしっと掴んで脹脛をサワサワ撫でた
「お~!柔らかっ!?」
「...大翔」
「はい?なんですか」
呼ばれて振り向いた大翔はへらっと笑いながら葉月の足を撫で続けていた
「なにやってんですか謙信様?」
「おっ幸村!
見てみろ!佐助の足、女みたいだぞ!?」
「俺ならここにいます」
「貴様俺の城に女を連れ込むとは
覚悟は出来ているのだろうな?」
幸村の後ろから顔を出した佐助に刀を向ける
『うるさい...』
「おはよう姉さん」
むくっと起き上がった葉月は自分の足を撫でまわしている大翔と目が合った
「なんだ葉月だったのか~
家康さんと喧嘩でもした?
それとも俺とより戻しに来たとか?」
『大翔、寝言は寝てから言ってくれるかしら?』
「朝から賑やかだな謙信」
葉月が大翔の手をバシッと叩き落としていると信玄がにこやかに声をかけてきた
「何の用だ信玄」
「いや、鍛錬の時間じゃないのかと思ってな
ところで佐助、例の件はどうなった?」
「その件でしたら......」
『きておりますよ信玄様』
全員の視線が葉月に向く
掛け布を胸元まで手繰り寄せにっこり微笑んだ
『おはようございます信玄様
今起きたばかりで後でお部屋にお伺い致します。
皆さん着替えたいので部屋から出ていただけますか?』
幸村は顔を赤くして足早に去っていき
謙信は大翔の首根っこを掴み出ていく
信玄も楽しみにしているよと自室に帰っていった
「俺は謙信様に事情を話してくる」
褥を片付け着物を着つけた葉月
廊下に出て足を止めた
『信玄様の部屋はどこかしら?』