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許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第1章 新月


『信長様、私の許嫁とはどなたでしょうか?』


秀吉の説教が一段落して
葉月は当初の目的である
許嫁のことを信長に聞いた


「お前嫁ぎに来たって言ってたのに相手知らねえのか?」


『ええ。お義父様からは"良い武人"としか聞いておりません』


「ほぉ」


「相手が誰だかわからずに来るってアンタ馬鹿じゃないの」


「まあそう言ってやるな。秀吉お前は何か聞いているか?」


「いや。"客人が来る"としか聞いていない」


「三成お前は?」


「私も秀吉様と同じです」


「.......」


「どこへ行く家康」


無言で立って広間を後にしようとした家康を信長が止めた


「俺は御殿に戻らせていただきます」


「ならば葉月も連れて行け」


「......は?」


理解が出来ないと言わんばかりに眉間に皺を寄せた


「聞こえなかったか?
"お前の許嫁"を連れて行けと言ったのだ」


「お断りします」


『え?』


「弱いやつは嫌いなんで」


「それなら大丈夫だよ家康
葉月は強いもん!?
弓道も結構な腕前だし他にも...」


キラッキラした瞳で興奮気味に力説を始めようとした


『桜花ちゃん黙りなさい』


「はい!!?」


ピシッと背筋を伸ばし冷や汗をかきながら返事をした


「(なに!何で怒ってんの!!)」


『この時代の女性は男性の3歩後を歩く物なのよ
自慢話なんてもってのほかです』


「ご、ごめんなさい...」


「葉月はできた許嫁だな」


「そうだな、良かったじゃねえか家康」


「はぁ....
光秀さんも政宗さんも面白がってるだけでしょ」


「家康これは決定事項だ
お前が何と言おうと覆らん
さっさと葉月を連れて行け」


「.......分かりました。行くよ」


『はい。みなさまお先に失礼いたします』


葉月が挨拶をしている間に家康はスタスタと歩き始めた
見失わないように早足で追いかけた


『家康様よろしくお願いいたします』


「よろしくしない
命令だから連れて行くけど馴れあう気はないから」


『はい。頑張りますね』


「...頑張らなくていい」


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