第4章 弓張月
「怖い怖いっ秀吉さん!?」
信長に連れられ戦場に来た桜花だったが
馬から信長が降りて戦い始めたため
馬上で悲鳴を上げていた
「桜花今行く!」
周りの敵を蹴散らし桜花の元へと急ぐが
敵が放った弓が桜花が乗っている馬に当たり勢いよく走りだし
落とされないように必死に馬の首にしがみついた
「「桜花!?」」
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「あれは....桜花さん?」
佐助は戦場を走り抜ける馬の背に
今にも落ちそうな状態の桜花の姿を発見した
「なあ佐助、あれって何時かの女じゃねえの?」
「ああ、そうみたいだ」
敵の攻撃を受け流しながら会話をする二人
「こんな戦場で可愛い天女に会えるとは」
にこにこと楽しそうに笑みを浮かべる信玄
「謙信ここは任せて大丈夫か?」
「誰に言っている信玄
貴様が居なくともなんの問題もない」
「俺も行きます」
「なんだ、幸は俺と離れなくないのか?」
「違うわ!
アンタが暴走しないよう見張るのが俺の仕事だ!?」
「信玄様、桜花さんをよろしくお願いします」
「邪魔だ、さっさと行け信玄」
立ち向かってくる敵を次々に斬りすてる
信玄と幸村はヒラリと馬に乗り爆走する馬を追いかけていった
「....謙信様」
「行け佐助」
「はい」
返事をするとスッと姿を消した佐助
一人残った謙信はじりじり後退を始めた敵に刀を向けた
「貴様たちは織田の兵ではないな」
「!?」
「何を企んでいるか吐け
さすれば楽に殺してやる」
鋭い殺気が籠ったオッドアイの瞳が敵を睨み付けた