第4章 弓張月
「反乱だと?」
ここは安土から遠く離れた春日山城
ここにも安土と同じようなことが起きていた
「どうする謙信?」
「幸村と佐助との鍛錬には飽きたところだ
俺が直々に出向いてやろう」
「やっと解放される」
「謙信様の相手は骨が折れるからね」
「あのぐらいで根を上げるとはな軟弱な
この鶴姫一文字の錆にしてやろう」
ヒュッと何の前触れもなく刀を抜き躊躇いなく佐助に斬りかかった
「せっかくの申し込みですが遠慮します」
ヒラッと避け無表情でズレた眼鏡を押し上げた
「お遊びはそれくらいにして準備をするか」
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「顕如様、上杉が動き出しました」
「そうか、あの男は戦狂いだうまくかき回し
信長と戦わせろ」
顕如は部下を使い国境近くの村々に
小さな火種をまいて回った
やがて小さな火種は大きな炎とかし反乱は戦へと変わる
「顕如様にご報告です」
「なんだ」
「信長は戦場に寵姫を連れて来ている模様です
徳川もまた然り」
入れ替わりに入ってきた男は口の端をあげ笑った
「ほう、それは手間が省ける
信長の寵姫を、無理なら徳川の女を
俺のもとへ連れてこい」
「御意」
「くくくっ軍神よ存分に暴れろそして信長を戦場に引きずり出せ」
「それじゃあ俺は少し休憩させてもらいます」
顕如とともに報告を聞いていた男は床に腰を下ろした
「貴様は戦場にはいかないのか」
「俺は殺し合いはごめんです
なんでサポート...ええっと、後方支援します」
「そうか無理な殺生はしたくはないからな
ならばお前も女を攫って来い
それくらいは出来るだろう?」
「わかった(無理な殺生って...
戦仕掛けといて矛盾だらけだな
戦国時代の奴はなに考えてるかわからないな)」