第4章 弓張月
「無駄話はそこまでにしろ
本題に入るぞ」
「自分から話しふっといて...」
「何か言ったか家康」
「いえなにも」
フイッと目線をそらし溜息を吐いた
「では報告いたします
先日国境近くの村でちょっとした騒動がありました」
「騒動?」
「斥候によると立ち寄った旅人が原因かと
そして必ず顔に傷のある僧が一緒だったと」
「なに!?」
「顕如か」
険しい顔をする秀吉と面白いものを見つけたように微笑む信長
『顕如?誰ですか?』
「信長様の首を狙う男だ」
小首を傾げて聞けば政宗が答えてくれた
「村々に立ち寄り言葉巧みに反乱を起こして回っております」
「戦を始める気か?
おもしれえ一暴れするか
最近大人しくしてたからな」
ニヤッと悪い笑みを浮かべる政宗
「女子供は村から出ていき
ごろつきの溜まり場と化しております」
「信長様いかがいたしましょう?」
「政宗、三成まずは村の状況を確かめてこい」
「了解」
「承知いたしました」
素早く立ち上がり颯爽と広間を出て行った
「光秀は城に残り引き続き斥候と連携をしろ」
「御意」
「秀吉と家康は俺とともに来い」
「はい!」
「わかりました」
「桜花」
「はい。なんですか信長様?」
「お前も連れていく準備をしろ」
「へ...?」
「の、信長様!?
桜花を連れていくのは危険です!」
「私行きたくないです!」
焦った様子で信長を止める秀吉と
顔を強張らせて首を左右に振る桜花
「貴様は幸運を呼ぶ女だ
それに貴様は俺の所有物だ拒否は許さん」
「う~わかりました...
あっ!葉月は?!葉月も一緒に行こうよ!!」
「桜花何言ってんの」
「いいだろう桜花お前も来い
家康の元で救護にあたれ」
「また勝手なことを....」
「ふっ葉月程の腕があれば問題なかろう」
「...否定はしません
分かりました連れていきます」
大きなため息を吐き了承した