第4章 弓張月
「来たか座れ」
政宗たちと広間へ入るとすでにみんな揃っていた
家康は葉月の手を引きいつもの位置に座った
「ほう、少し見ぬ間にずいぶん仲良くなったものだな」
『はい』
「答えなくていい」
くくくっと笑いながら光秀がからかってくるが
葉月は嬉しそうに微笑んで返事をした
「家康」
「なんですか」
「そろそろ祝言をあげてはどうだ」
「.....は?」
「賛成です信長様!
パーティーしようよ葉月!?」
「ぱあ?なにそれ」
『あんまり気が進まないなあ...』
桜花の言葉にはてなを浮かべる家康と
嫌そうな顔をした葉月
「え~やろうよ」
「そのぱあなんとかは分かんねえが
祝言いいじゃねえか!俺が旨い飯作ってやるよ」
「私もお手伝い致します」
「お前はなにもしなくていい」
三成の申し出を一刀両断した
「葉月は此方で家康と一緒になるんでしょ?
それとも現代に戻って"あの人"と一緒になるの?」
「(あの人??)」
『桜花ちゃん
余計なこと言わないでくれるかしら?』
ジロッと桜花を睨むと
ごめんと小さい声で謝罪した
「ちょっと待て桜花!
今"戻る"って言ったか!」
「?言ったけどどうかした秀吉さん?」
キョトンと小首を傾げた
「「どうかした?」じゃないだろ!
戻るなんて聞いてないぞ!?」
「桜花貴様俺の許可なく帰るつもりか?」
「ええ!?私は帰りませんよ信長様!!」
『私も帰る気はありません』
「佐助君が言ってたんですよ
"タイムワームが一月後に開く"って」
「"佐助"とは時々聞く名だな誰だ?」
『佐助は私の弟です』
「弟だと?」
「へ~お前たち二人以外にも500年後から来た奴がいたのか」
『桜花は二か月前にここに来たようですが
私は一年前、佐助は四年前に来ています
飛ばされた時に同じ場所にいたのは
私たちだけではなかったと思いますので
もしかしたら他にも飛ばされた人がいるかもしれません』
「ほぉそれは興味深いな今度その話を詳しく聞かせろ」