第1章 新月
「葉月姫様、安土城に到着いたしました」
籠が地上に降ろされ御簾を上げた
従者の手を借り籠から出た葉月
『大きなお城、それにとても綺麗』
背筋をピンと伸ばし安土城を見上げた
「お待ちしておりました」
『お出迎えありがとうございます』
「広間までご案内いたします」
『はいよろしくお願いいたします。
みなさんここまで運んで下さりありがとうございました
気をつけてお帰り下さい』
「はい葉月姫様どうかお元気でお過ごしくださいませ」
ここまで運んでくれた従者が見えなくなるまで見送る葉月
何も言わずに待っていた男性に謝り城の中へと入って行った
「あれは姉さん?」
「姉?どう見ても姫にしか見えねぞ?」
「いや間違いないよ幸
あの美しい黒髪モデル顔負けのプロポーション
絶対に葉月姉さんだ」
「桜花は可愛い天女だったが
佐助の姉は美しい天女だな」
「信玄お前はみさかいがないのか?
女なんぞに興味は無い行くぞ佐助」
「はい謙信様(後で城に潜入してみよう)」
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「信長様。姫をお連れ致しました」
「開けろ」
三成が襖間を開く前に正座をし頭を下げた
「よく来たな面をあげろ」
信長の声に反応して頭を上げると飛び込んで来たのは5人の武将たちの姿
「ほぉなかなかだな政宗」
「ああ、そうだな光秀」
「はぁ面倒くさい」
「まあそう言うな家康」
『(5人...誰が許嫁なんだろう?)』
「三成ご苦労であった。姫そこに座れ」
『はい。失礼いたします』
信長に言われた通り広間に入り武将たちの中央に座りなおした
『これから安土城でお世話になります
どうぞよろしくお願いいたします』
三つ指を付き美しい所作でお辞儀をした
「美しい所作だな
どこぞの誰かとは大違いだな」
「む~光秀さん一言多いです!!」
『....?』
よく見れば光秀と呼ばれた人の後ろちょうど葉月から死角になっていた場所に栗色の髪に瞳の女性が座っていた