第3章 三日月
朝日が上り褥から起き出し着物を見にまとった
褥をたたみ部屋の仕切りに立ててある衝立をのける
『おはようございます』
「おはようございます葉月様」
『今日は二手に分かれて作業をしましょう』
用意された朝餉を食べ三成と作業場に向かった
三成たちにはそのまま掘り進めてもらい
葉月は水が流れたとき崩れないよう石で壁を作る
子供たちにも手伝ってもらい石を拾ってきてもらった
村人総出で順調に進む作業これなら明日には出来上がるだろう
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「おはようございます家康様」
「....はよ」
鈴が持ってきた朝餉を食べる
最近は葉月と食べていたせいか
少し味気ない感じがする
「家康。調子はどうだ?」
「熱も下がったのでもう平気です。何か用ですか?」
「三成から報告があった」
「...何ですか」
三成と言う名前に眉間に皺を寄せ嫌そうに聞いた
「怪我や病気、疲労回復に効く温泉があるらしい
馬に乗れるなら行ってきたらどうだ?」
「温泉...?
わざわざ温泉なんて行かなくても
寝てたら治ります」
目線をそらし痛む腕を擦った
「まあそう言うなって
湯治のついでに見に行ってこい心配だろ?」
「葉月の心配なんか...」
「俺は村のことを言ったんだが?」
秀吉はにこにこ微笑みを浮かべた
「.....分かりました
明日行ってきます」
「そうしろ
信長様には俺から言っておく」
渋々ながら了承した家康に安心して秀吉は帰っていった
「全く心配なら心配だと言えばいいものを
天の邪鬼な奴だ」