• テキストサイズ

許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第2章 繊月


「今なんと言った?」


『あら、聞こえ無かった?
頭だけじゃなく耳も悪いんだ』


ふぅっとため息を吐いた


「な!貴様!!?」


今にも斬りかかろうとする男だったが
入口が開きはっと振り返った


「何をしている
そいつは大事な人質だまだ殺すな」


『家康!!?』


家康を担いで入ってきたのは数人の男
家康を乱暴に部屋に放りこんだ


『家康になにしたの!』


ぐったりとした家康に駆け寄り男を睨み付けた


「殺してはいない
動けない様に少々痛め付けただけだ」


頬に触ると瞼がうっすら開いた


「....葉月」


『ごめんなさい家康』


「さあ姫君、貴方の出番です
脱いでもらいましょうか」


°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°


光秀の案内で森の奥深くにある小屋にやって来た
寂びれた家の前にいかにも怪しい男が二人


「見張りがいるな」


「ああ、ここで間違いない」


「どうする?まずはアイツらを退治しねえと」


「心配ない一人は俺の斥候だ」


ピィーッと口笛を吹くと斥候が素早く打ち身をあて気絶をさせた
縄で縛り上げ木に括りつけた
斥候に見張りを頼み家の裏側へと回り込んだ
寂びれた小屋で所々の木が朽ち穴が開いている
そこから中を覗くと床に転がる家康と葉月の姿が確認できた


「居たぞ」


「敵は?」


「五人だな」


「どうする?家康だけなら踏み込んでも問題なかったが
葉月が居るとなると話は違うぞ」


「さあ姫君、貴方の出番です
脱いでもらいましょうか」


「「!!」」


小声で話し合う最中に中から聞こえてきた言葉


「おいおい不味いぞ秀吉」


「言われなくても分かってるが!」


『じゃああなたが脱がしてくれるかしら?
着付けは女中がしてくれるから一人では脱げないの』


次に聞こえた葉月の"脱がして"発言にギョッとした


「アイツ何考えてんだ!?」


「どうする早くしないと葉月が!」


「葉月のあの態度、何か考えがあるのだろう」


慌てる二人とは対照的に状況を静かに見守る光秀


/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp