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許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第2章 繊月


家康は三成と別れて森の中を歩く
すれ違うのは商いの為に通る商人ばかりで
怪しい者は見つからない、引き返そうと踵を返す


「徳川家康、お前の大事な姫を預かっている
大人しく来てもらおうか」


不適な笑みを浮かべ刀を向けてきた


「は?姫?」


「そうだ、美しい黒髪の姫君だ」


「!?」


スッと持ち上げた男の手には
葉月が朝髪に挿していた簪が握られていた

「う"っ!?」

一瞬の動揺を見逃さず男の仲間が
後ろから殴りかかってきた
刀を奪われなすすべもなく一方的に殴られる


「愛しき者が恥辱されるのをみせてやる
それまでは貴様を殺しはしない」


朦朧とする中、男の言葉を聞こえ
そこで家康の意識は途切れた


°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°


「信長様!?」


「騒々しい何事だ」


「葉月が拐われました」


広間に駆け込んできた秀吉は
姿勢をだだし報告をした


「こっちもかよ」


「は?こっちもとはどう言うことだ?」


「先ほど三成から家康がいなくなったと
報告がはいったところだ
葉月の行方の手がかりはあるか?」


「東に連れ去ったと店の者が言っておりました」


「政宗、秀吉東に向かえ
桜花貴様は部屋に帰っていろ」


「御意!」


「了解!」


立ち上がり颯爽と走り去った


「盗賊の目的は家康か」


「ってことは葉月を人質に
家康を捕まえたってことか」


馬を走らせて東の森に到着した
馬を降り辺りを警戒しながら森を進んでいく


「秀吉、政宗こっちだ」


「光秀!?」


「斥候が奴等の隠れ家を見つけたぞ
葉月の姿も確認したそうだ」


「急ぐぞ案内しろ!?」


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