第2章 繊月
「桜花!桜花!!」
「ん...秀吉さん?」
ふあぁ~と欠伸をして体を起こし目を擦った
「桜花何があった!!
葉月はどうした?!」
「へ?そこに.....居ない!!?
えぇ!何でさっきまで一緒に
お団子食べてお茶飲んで
それで眠たくなって...
あれ?何で眠たくなったんだろ?」
「盛られたか.....おいっ!」
「はーい、ご注文でしょうか?」
「ちょっと聞きたいことがある
桜花と、この娘と一緒にいた
娘がどうなったか知らないか?」
「ああその娘さんならお迎えが来られて
お帰りになりました」
籠に乗せてあっちの方へと指差したのは
東の森の方だった
「桜花、一旦城に帰るぞ」
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『ん....ここは?』
目を開くと見覚えの無い薄暗い部屋
なぜここにいるのかとまだ覚醒しきらない頭で考える
横になってた体を起こし辺りを見まわす
『桜花どこ?』
「お付きの者でしたら甘味屋においてきましたよ姫君」
入口から入って来た男は笑みを浮かべて近づいて来た
『....どちら様でしょうか?』
「貴女の許嫁の知り合いですよ。昔のね」
昔と言われて歴史を頭の中で思い浮かべる
徳川家康と言えば幼い頃から人質として転々としていたはず
その中で家康に恨みを持つと言えば
『......今川ですね』
「ほぉなかなかに聡明なお方ですね」
『お褒めに与かり光栄です
ところで私を連れてきた目的はなんでしょうか?』
「あの忌々しい男を捕まえる為の餌ですよ
もうすぐ仲間がヤツをここに連れてくる
我らの役にたっていただこう」
『......ぃ』
「は?」
『餌になるつもりはない』