第2章 繊月
「桜花、葉月」
「『はい。信長様』」
「秀吉と城下の見回りついでに金平糖を買って来い」
「信長様!糖分の取り過ぎはお体に良くないです!?」
「煩いぞ秀吉、話しは以上だ」
くどくど説教を始めようとする秀吉を無視して信長は話しを終わらせた
「行くよ三成」
「はい。家康様」
騒がしい広間を出て厩を目指す
『家康』
愛馬の手綱を引き準備をしていると葉月が小走りに近寄って来た
「なに?」
『ご武運を。いってらっしゃいませ』
「(わざわざそれを言いに来たのか)...いってくる」
「仲がよろしいですね」
「黙れ三成」
愛馬に跨り駆け出した終始にこにこする三成にイライラしながら暫く馬で駆ける
森に入ったところで馬を降り辺りを警戒しながら歩く
「特に怪しい所はありませんね」
「...俺はもう少し奥に行ってみる
お前はこの辺りを見まわってろ」
「はい」
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「秀吉様っ文は読んでいただけましたか?」
「秀吉様~今日こそは私達とお茶をしましょう!」
「『......』」
城下に出て金平糖を購入し店の外に出ると秀吉は町娘に囲まれてしまった
端に追いやられた葉月と桜花は少し離れてその様子を見ていたが
「ねえ葉月、団子でも食べに行かない?」
『あら、良いわねそうしましょう
でも私お金持ってないから桜花が奢ってね』
秀吉を置いて甘味屋に向かって歩き出した
人通りの多い道を二人は並んで歩く
『あら、お店閉まってるみたい』
「じゃあもう少し行った町はずれにも甘味屋があるから行ってみようよ」
『ん~町はずれか...
分かった一緒に行こう
桜花どうしても団子食べたいんでしょ?』
「やった~大好き葉月!」
嬉しそうに話す様子を怪しい瞳がじっと見つめていた
葉月は違和感を感じながらも桜花と甘味屋を目指した