第2章 繊月
「行くよ葉月」
信長から呼び出しがあり城に出向くことになった
最初一人で行くつもりだった家康だが
信長に"葉月も連れて来い"と言われた
『お待たせ家康』
御殿の入口で待っていると鈴と一緒にやって来た
「いってらっしゃいませ家康様、葉月様」
鈴に見送られ二人並んで歩く
最初は俺の三歩後ろを歩いていたが少し慣れてきたようだ
口調も敬語が混じるものの大分とれてきた
「おはよう!!」
『おはよう桜花』
「朝から元気だね」
「おはようございます家康様、葉月様」
『おはようございます三成様』
「...葉月コイツに"様"は必要ない」
『え?いらないの?』
「はい。敬称も敬語も必要御座いません三成とお呼びください」
「私はね~"三成君"って呼んでるよ」
『では私もそう呼ばせていただきますね』
葉月がそう言うと三成はにっこり微笑んだ
「...(コイツの笑顔相変わらずイライラする)
何時までも話してんの行くよ」
『うん』
三成を先頭に広間へと歩き出した
「よく来たな葉月」
『はい。お久しぶりです信長様』
いつもの場所に腰を下ろすと葉月は家康の後ろに腰を下ろした
「信長様、今日は葉月の横に座っても良いですか?」
「かまわん好きにしろ
秀吉、報告しろ」
「では始めさせていただきます
ここ最近城下近くの森で
しかも東の通りのみで盗賊らしき者が出ております」
「場所が分かってんならさっさととっ捕まえりゃいいじゃねえか」
「それが出来たらわざわざここで話し合う必要ない!
光秀の報告では何か裏があるみたいだ」
「東のみですか...盗賊が出ると分かっていてそこを通る者は居ません西に迂回するはずです」
「ただの馬鹿かそれとも誰かを罠にはめたいのかどちらかだな
ふっ面白い、良いだろうその罠にはまってやろう
家康、三成すぐに西の森へ迎え」
「はい。」
「かしこまりました。家康様よろしくお願いいたします」
「煩いよろしくしない」