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許嫁は戦国武将〈イケメン戦国〉

第9章 立待月


「っん....」


「葵、本当に良いの?」


こくんと頷く葵の手を引き
小屋の中に入った
お昼過ぎとはいえここは森の中の小屋
中は閉めきっているため薄暗い


「初めてはもっとロマンチックにしたかったな」


「ろまん?」


「何でもないよ」


可愛く小首を傾げる葵のおでこに
チュッとキスを落としシュルリと帯をほどいた


「あっ」


パサリと床に落ちた帯
締め付けがなくなり緩む着物を
そっと肩から抜き去ると襦袢姿
現代で言うと下着姿になった


「もう一度聞くよ
葵の初めてを
俺が貰って良いんだな?」


恥ずかしそうに俯いていた葵は
そっと触れるだけの口づけをして
キュッと大翔に抱きついた


「大翔様が良い....」


「葵....優しくする
痛かったらちゃんと言いなよ?」


おでこに頬にキスをしながら
襦袢の紐をほどき襟元から手を差し入れた


°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°°˖✧◝◜✧˖°


"優しくする"と言った大翔様は
褥に横たえたわたしの反応を見ながら
ゆっくりと肌を撫でる


「....っ」


撫でていた手が胸の頂を掠め
声が出て慌てて口を押さえた


「声、聞かせて?」


手を口から離され指を絡め
優しい口づけが降ってきた


「あっ....大翔さ、ま」


「大翔」


「え?」


「様はいらない
大翔って呼んで」


「大翔....」


「うん。なに?」


「ふぁ....あ、あいし、ていま、す
あなたを、大翔だけを....」


「俺も、俺も葵を愛してるよ」


大翔様から与えられる快楽の中
鈍痛が体に走り涙が瞳から零れた
初めてを貴方に捧げることが出来た
わたしは幸せです
もう会うことが叶わぬとも.....


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