第8章 十六夜月
俺の上ですやすや眠る桜花を起こさない様に
褥におろし仕事部屋に向かった
今日のあれは不味かった....
アイツ"たまたま"とか言ってたが何時から居たんだ?
部屋に入ると文机の前に座り机に突っ伏した
そのあとの記憶はなく気が付くと朝を迎えていた
着替えを済ませ重い足取りで桜花の部屋に向かった
「...桜花おはよう」
「おはよっ秀吉さん!?」
勢いよく襖が開かれそのままの勢いで突撃するように抱き着かれ押し倒されて強か頭を強打した
「~~っ!!」
「きゃー!!秀吉さん大丈夫?!」
「何を朝から騒いでいるのかと思えば
やはり秀吉は襲われるのが好きなんだな」
「へ?」
「み~つ~ひ~で~
いい加減にしろ!!そんな趣味はない!?」
「誰しも人に言えないようなことはある
気にすることは無いぞ秀吉」
「だから!違うって言ってるだろう!!」
「なに?なんの話してるの??」
「そんなことより政宗が広間に来いと言ったぞ」
「おいっ待て光秀!!」
「秀吉さん置いてかないでっ!」
悠々と歩いていく光秀を追いかけ広間に向かっていった
『おはようございます』
広間には信長様が居たため光秀に声をかけることは止め
静かに座っていると遅れて家康が葉月を連れて入ってきた
俺と桜花、三成は挨拶を返したが
信長様、政宗、光秀は口角を上げ悪い笑みを浮かべた
「祝言を挙げたとたんこのざまか」
「いやー楽しみだな光秀」
「くくっそうだな政宗」
「何が楽しみなのですか?」
二人の言葉にキョトンとする三成
「そりゃあ祝言を挙げたあとすることと言えば
なぁ、家康?」
「家康様はお分かりになるのですね!」
「黙れ三成」
今日も相変わらず三成には辛辣な口ぶりだなと
頭の中で違うことを思っていても自然と顔は赤くなる
桜花も理解したのか赤い顔をして俯いていた
『次は桜花と秀吉さんの祝言ですね』
「ブッ!!?」
「うわぁ!だ、大丈夫秀吉さん!?」
急に話をふられ飲んでいたお茶を
盛大に吹き出した俺の背中を撫でてくれる桜花