第8章 十六夜月
桜花と褥を共に.....と言っても本当に"寝た"だけなのだが
十日が過ぎたある日久しぶりに全員が集まった広間で家康が
"祝言を挙げる"と宣言をした
「やっとその気になったか」
「よしっ料理は任せとけ!?」
「おめでとうございます」
「良かったな葉月」
「おめでとう!
祝言までに絶対に完成させるからね🎵」
俺たちに祝いの言葉をかけられ嬉しそうに微笑む葉月
「葉月ここに来い」
『はい』
そんな中上座から見ていた信長様は自分もとへ呼びつけ
真剣な表情で話し出した
「祝言を挙げるということは
ここで根を張り生涯を過ごすと言うことだ」
『現代に帰りたいなどと微塵も思っておりません
実の両親よりもこちらの両親の方が好きですし
ここには弟も大好きな親友もおります
何よりも.....自分の愛した人のそばに居たい』
「ふっ愚問だったようだな」
愛した人か.....良かったなあ家康
心から愛しあえる者が出来て
「祝言前に手を出すとはな」
信長様の発言に思わずビクッと肩が跳ねた
葉月の近くにいた桜花が目ざとく首筋の赤い痣を見つけて
頬を仄かに赤く染めながら口元に手を当て"キスマーク!!"叫んだ
は?きすまあくってなんだ??
『....キスは魚の鱚ではなく口づけ
マークとは印のことです』
ああなるほど口づけの時にできる印か.....
「祝言前に孕ますなよ家康」
「言葉を選べ政宗!?」
全く政宗は何を考えてるんだ!
「でもでもっ!葉月と家康の子供だったら
男の子でも女の子でもとっっても可愛い子だと思うの!!?」
「そうですね俺も桜花さんに一票」
な!?コイツどこから現れた!!