第8章 十六夜月
「桜花今度一緒に甘味屋に行かないか?」
「行きたい!」
恋仲になってからと言うもの登城すればまず桜花の部屋に向かえに行き一緒に仕事部屋に向かう
御殿で仕事の時には桜花が遊びに来る
順調に愛を育んでいたがその幸せな日常は長く続くは続かなかった
「は.....?今なんとおっしゃいました?」
「聞こえなかったのか?
明日桜花の縁談相手が来ると言ったのだ」
翌日城へ登城し広間へと向かうと愉しそうに口角を上げた信長様が目に入った
続々と集まってくる面々
葉月に"どの様なお話"かと問われ"桜花の縁談の話だ"と答えた
俺と恋仲だと主張する葉月に対し"少し遅かったな"と
「遅いとは?」
「向こうに文を送った後だからな
もうすぐ着くころだろう」
「信長様!そのような大事なことを
なぜ黙っていたのですか!?」
「お前がハッキリしないから悪い」
「ははっ、確かにお前が悪い秀吉」
『あら、そんなこと言ってはダメですよ
こんな優柔不断な人でも桜花が好きになった人なのですから』
「う゛っ悪かった...」
「ホントはっきりしてください」
次々にダメ出しをされ俺は肩を落とした
そこに出迎えに出ていた三成が縁談相手を連れ広間に入ってきた
三成に連れられて入ってきたのはこげ茶色の髪に緑の瞳の男
『え...?』
「なに?」
『あ、ごめんなんでもない』
「お久しぶりです信長様」
「息災か利家」
「はい!ここ最近は各地を回って腕試しをしてました」
俺がしゃべる利家をジト目で眺めていると不意に利家が葉月を見た
すると大きな声を上げこともあろうか葉月に抱き着いて行った
「葉月会いたかった!?」
会いたかっただと?どういうことだ?