第8章 十六夜月
「鍛錬か~まあ頑張るわ
郷に入れは郷に従えっていうだろ?」
「ほう、女々しい奴だと思えば中々見どころがありそうだな」
「アイツが謙信様の相手してくれんなら
俺の負担が減って助かるから良しとするか」
謙信の鍛錬がどういう物か知らないが真田が負担が減ると
喜んでいるしこちらに害がなければ何でもいい
「可愛い天女が良かったんだがな」
お前のところに桜花や葉月を行かせるか!
「話は纏まった様だな」
「大翔元気でね~」
「ああ、桜花も元気でな葉月もな」
『ええ』
「あっそうだ家康さん!!」
まだ何か用があるのか?
不機嫌そうに返事をする家康に対して"首弱いって知ってる?"と
首をトントンと叩く大翔の意味不明な問いに家康は眉間に皺を寄せた
「そっか~まだなんだな」
「なにがまだなんだ?」
うんうん一人で頷く大翔に俺たちは不審な目を向けた
『...余計なこと言わないでさっさと行きなさい』
「行くぞ佐助」
「はい謙信様。では皆さん失礼いたします」
「天女また会おう」
「はいはい。行きますよ信玄様」
颯爽と出ていく謙信、無表情の佐助、葉月と桜花に笑顔を振りまく信玄
そしてその信玄の背中を押して出ていく幸村
「え~皆さんどうもお世話になりました?」
「なんで疑問形なんだよお前!」
「あははっまあ兎に角また会うこともあると思うので
これからもよろしく!
それと家康さんさっきの葉月に聞けば分かるから」
じゃあな~と謙信たちの元へと小走りに走り去っていった
全くアイツは最後まで何なんだ?
やっと終わったことだしさてと.....
「それよりも桜花」
「何ですか秀吉さん?」
「無茶ばっかりして当分は大人しくしていろよ」
お願いだから俺の目が届くところに居てくれ
「うぅ~分かりました~」
光秀に諦めろ言われがっくり肩を落として了承した
「こっちの話もまとまった様だな」
その日のうちに安土城へと向かい馬を走らせた