第8章 十六夜月
「酷いな佐助
俺が兄になるの嫌なのか?」
「はい」
「即答!!」
「あははっドンマイ大翔」
佐助の無表情の即答にさすがに俺も吹き出しそうになった
政宗も肩を震わせ耐えていた
「家康」
「なんですか信長様」
葉月の言葉を聞いか眉間の皺が取れた家康だったが
愉しそうに笑う信長様の顔を見てまた眉間に皺がよった
"お前はどうなんだ?"と聞かれ"俺が決めることじゃ無い"と
『ねえ、"遊びに行った先で嵐にあった"って言ったわよね?』
「ああ言ったな」
嵐?そういえば桜花も言っていたな
『嵐にあったのって本能寺跡でしょ?』
「バレた?」
『私しつこい男は嫌いって言ったよね?』
「女の尻を追いかけるとは貴様それでも男か?」
謙信の一言に笑うのを耐えていた政宗がぶはぁっと吹き出し笑いだした
『兎に角、私は帰らないわ
帰るなら一人で帰ってください』
「仕方ない分かった。今は諦めるわ」
なんだ意外と素直じゃないか
変なことを言いださなければいいが
「それでお前これからどうするんだ?」
「俺今まで顕如の隠れ家にいたから家ないんだよな~
葉月の処に...」
「お断りです」
言い終わる前にぴしゃりと家康が拒絶した
「じゃあ桜花の...」
「却下!!」
冗談じゃない!!例え桜花の頼みでもこれだけは絶対断る!?
「佐助~お前は俺を見捨てないよな?」
俺たちに断られ佐助に泣きつくが
「俺は謙信様の城に居候させてもらっている身です」
さほどすまないとも思ってないように見える表情の佐助に謝られガックリ肩を落とす大翔
「仕方ない貴様の面倒は俺が見てやろう」
そんなところへ謙信が助け船を出した
"本気ですか!?"と叫ぶ幸村に"本気だが何か問題でもあるのか"と言うと
「大翔さんが無事に城で過ごせるのかと言う所でしょうか」
ん?無事に過ごせるかだと?
「えっ何々?どう言う意味だ佐助」
「謙信様は処構わず刀を振り回して鍛錬を強要してくるんです」
ああなるほど...あの戦狂いならやりかねないな