第8章 十六夜月
信長様が三成に顕如を安土に連れ帰るよう命じ
残りの一行は春日山組と共に近くにあった城へ一時的に集まった
「相変わらず葉月は容赦ないな~」
『私がしつこい男を嫌いなの知ってるでしょ?』
家康の横に座って大翔と気さくに話をしている葉月
葉月...家康の眉間に皺に気づいてくれ...
「知ってるけどさ、刀持った男を蹴り飛ばすか普通?」
『あら、大翔だって蹴飛ばしたじゃない』
「俺のは桜花を助けるためだろ」
俺の思いも虚しく直も話を続ける二人
「桜花アイツは敵じゃないのか?」
「へ!?えっ~と、敵ではないかな?
あっでも家康には敵(恋敵)になるのかな?」
家康が聞かないなら俺が聞くか
と、大翔を睨みながら桜花に声をかけた
あからさまに驚きぶつぶつ訳のわからないことを言い始めた
その言葉に家康の眉間の皺が深くなる
「あんたが徳川家康?」
「......」
そんな家康の様子も気にせずに笑みを浮かべて声をかける大翔
一瞬目線を向けるも返事をすることなく目をそらす
"先に自分の名前を名乗るもの"と葉月に言われ
素直に名前を名乗る大翔
その後葉月から"500年後から来た一人"だと聞き
"葉月は俺の許嫁"だと言ってきた
「ってことは葉月には許嫁が二人いるってことか?」
「そう言うこと~
だから葉月を俺に還してくれるよな?」
政宗の言葉に肯定した大翔は笑顔で家康に言いはなった
コイツは何を言ってるんだ?
「還せ...か、大翔と言ったか
貴様葉月を取り戻してその後どうするつもりだ?」
シーンと静まりかえった広間に信長様の声が響いた
その問いに大翔は"特に考えて無い""とりあえず帰る方法でも探す"と言い出した
それに対して"家康と一緒に居る帰らない"
"兄にするなら家康公がいい"
と矢継ぎ早に葉月と佐助は言葉を続けた