第8章 十六夜月
合図を受け顕如を四方から取り囲む
「桜花を返せ!!」
「桜花様お迎えに参りました」
それに対して"女が怪我をするぞ?"
桜花を引き寄せニヤリと笑う顕如
その後ろでは葉月の腕を持ってにこやかな微笑みを浮かべる男
桜花や葉月に怪我をさせるわけにもいかず
刀で威嚇しながら様子を窺っていると
男が刀を葉月目掛けて振り下ろした
「「「!!?」」」
其処にいた誰もが斬られたと思ったが
次の瞬間葉月は佐助の名を呼び左手を差し出した
「了解」
佐助は薙刀を取り出し葉月に投げ渡した
アイツどこにそんなもの持ってたんだ!
そんなことを思いながら葉月に視線を向けると
くるくると頭上で数回回した後
男の頭に一発叩き込んだ
顕如の部下は何が起こったのか理解ができず
倒された男と葉月を見ていた
慌てた顕如が男の名を呼び"女を取り押さえろ"と叫ぶ
しかし大翔と呼ばれた男は微笑み浮かべ
"俺は葉月側の人間"と言い顕如を蹴飛ばし桜花を引き寄せた
「ありがとう大翔」
「いえいえどういたしまして」
大翔と仲が良さそうに話す桜花を見て
俺は直ぐにでも大翔から桜花を引き剥がしたい衝動に刈られた
しかし敵を倒すのが先だとぐっと耐え無理やり敵に集中する
俺がモヤモヤしながら顕如を睨みつけている間に
葉月と大翔は顕如の部下を薙ぎ倒していった
そして立っているのは顕如一人になった