第2章 繊月
「おいお前ら、俺が居るの忘れてねぇか?」
腕をくみニヤニヤと笑う
『あら、別に忘れてませんよ政宗』
「....政宗さんなにしに来たんですか?」
「飯作ったからお前らを誘いに来た
俺の御殿に食いに来い」
『(出掛けられるチャンス!)』
ぐいっと袖を引っ張って翡翠色の瞳を見上げた
『ねえ家康、一緒に行こう?』
「....葉月がどうしても行きたいって言うなら
着いていってあげてもいい」
プイッと目線を反らし素っ気なく答えた
『ありがとう家康!着替えてきます
鈴、直ぐに着替えの準備を』
「はい!かしこまりました」
嬉しそうにパタパタ小走りで
自室へ帰っていく後ろ姿を見送った
「...何ですか?」
何時までもニヤニヤ笑う政宗をジロッと睨みつけた
「いや、仲良くやってるみたいだなと思ってな
それにしてもまだ敬語で喋ってんだなアイツ
桜花は来た次の日から普通に喋ってだぞ」
「...葉月と喋るのはさっきので3回目ですから」
「はあ!3回!!?
一緒の御殿に住んでて
どう言うことだよ!?」
「一緒の御殿に住んでいようが生活は別です。
俺も葉月も必要以上に部屋から出ないし
食事も別ですから」
「部屋から出ねえって...
まだ外出禁止解除してねえのか?」
「.....」
「今日から毎日葉月と飯食いに来い!
お前と一緒なら外出も大丈夫だろ?」
「何でわざわざ政宗さんのところまで....」
「断るなら毎日三成を葉月の迎えに寄越すぞ?」
「ヨロコンデイカセテイタダキマス」