第2章 お友達
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午前は普通科目。高校の勉強をしてこれで午前は終わり。
午後からはヒーロー科ならではのヒーロー基礎力の時間だ。皆、わくわくしている様子が見られる。ヒーロー基礎力……一体どんな事をやるのかな?
オールマイトが普通に教室のドアからやってきて、教卓の前に立っている姿は誰か想像出来るだろうか?
そんなオールマイトがボックスから取り出したのは、1枚のカード。
「早速だが今日はこれ!戦闘訓練!」
戦闘訓練……、オールマイトは入学前のコスチューム要望が届いたらしいのでそれを着てβグラウンドまで来いとの事。
戦闘訓練か……一体どういうのだろうか?コスチュームの入った箱を持ちながら、考えた。
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「わ、わ、植村さん……素敵ですわ。」
「?、ありがとうございます。」
感激している八百万さんにお礼を言った。きっとコスチュームの事だろう。正直に言うと普通のコスチュームだ。
八百万さんのコスチュームの方が似合っている。
更衣室に行ってコスチュームに着替えて移動しようとしてβグラウンドまでに行く途中、八百万さんにそう言われた。
黒っぽい藍色のホルターネックにそれと同様のショートパンツを履き、腰には寒さ対策の為の大きめなポンチョが巻いてあるので後ろから見るとスカート履いているように見える。そして、編み込みブーツ。
「何かテーマとかあるのですか?」
「ん……特にはないです。」
特にはない。個性的に魔法使いみたいに慣れたらいいな。というほんの少しの願いが入っているだけで。
「そうですか……しかし、お似合いですよ。」と何だろうか、悲しそうに微笑む八百万さん。
どうしたのだろうか?そう口に出そうとした瞬間、βグラウンドに着いてしまった。