第1章 雄英高校
「お婆ちゃん。」
「なんだい、すみれちゃん。」
夕御飯を食べ、体力テストで疲れた体をお風呂で暖まった後、暖かい緑茶を飲んでいたお婆ちゃんに声をかけた。
お婆ちゃんは私を見て微笑むと座るように隣をぽんぽん叩いた。
「お婆ちゃん、今日、出久さんと一緒に帰った。のと、私の前にいる八百万さんという人にお話をした。」
「あらまぁ、入学初日なのに話したのね。」
「うん……、フレンドリーな方々だった。」
そう言うとお婆ちゃんはたちまち自分の事ではないので嬉しそうにして私に微笑みかけた。緑茶を一口飲むと口を開く。
「あたしはね……、すみれちゃんからそう言う報告を受ける事が楽しみにしていたの。」
「自分の事ではないのに?」
「当たり前じゃない。きっと隣の引子ちゃんも嬉しいと思うわ。」
そうなんだ。お婆ちゃんが喜んでくれたならそれで良いや。頭を撫でられて「ゆーくりで良いからね。」と優しく私に問いかけられた。
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「植村さんおはようございます。」
「八百万さん、おはようございます。」
次の日、少し体の気分が良いのを感じた。
学校に着き席については準備をしていると前にいた八百万さんから挨拶があり、それを返すとガッツポーズをしている。何かあるのかな?
「ヤオモモと植村さん、おはよう。」
「耳郎さんおはようございます!」
「?、おはようございます。」
じろうさん……?見たことはあるけれど、名前は知らなかった。首を傾げているとじろうさんは「あ、ごめん。分からなかったよね。」と妙に納得をされてしまった。
「耳郎響香、よろしくね。呼び方はなんでもいーよ。」
「植村すみれと言います。よろしくお願いします。」
なんでも良いのか。それが1番困る。響香と呼んでも良いのか……うん、響香さんって呼ぼう。
響香さんはショートヘアが似合う……俗に言う、格好いい女子?だろうか。そんな感じがする。
八百万さんが「私もなんでもお呼びくださいまし!」とハキハキした声を耳に入れながら、筆箱を鞄から出した。
「……何だろう、植村さん本当にクールビューティーだよね。」
響香さんからそう言われた。
クールビューティーとは一体なんだろうか?あとで調べてみよう。