第3章 発想と創造の協奏曲
「やっとキミを叩き潰せる...嬉しいよ!幸平創真!!」
幸平「そうかよ...!よかったねおめでとう!喧嘩売ってんのは分かったから
そろそろ足どけやがれ...!」
私の仲裁は効かず、二人の喧嘩はヒートアップしてきたとき
乾シェフの声が響いた。
乾「はーい では皆さん、私はここに座ってますので課題のことで
わからない事があれば聞いてくださいね。」
そう言いポリポリと柿の種を食べながら長椅子に座った。
「あの...乾シェフ?まだ何の説明も受けてないのですが...」
生徒のひとりがみんなを代表するのように聞いた。
なんだ、私達が聞き逃したんじゃなくて最初から説明されてなかったのか。
乾「あぁ...そうでしたか?では説明をしなくてはですね!」
なんてマイペースな...
乾「私が出す課題は...ここにある食材を使って、日本料理でメインとなる
1品を作る事です!」
と、からの台の上をさして言った。
食材なんて何も無い...と思ったが、どうやら乾シェフが指していたのは
窓の外の自然だった。
乾「この建物を含むエリアは古くから遠月学園お抱えの私有地で、ぐるりと
柵が巡らせてあります。柵を越えたらその時点で失格...限られたフィールド
の中で食材を確保し調理...私を満足させる一品を作れば合格です!」
まじかよ!!調味料は揃ってるし、倉庫の道具は使っていいとのことだ。
これは...サバイバル?
乾「制限時間は2時間!それではよういはじめ。」
と可愛らしく手を叩いた。
みんな一瞬始まったことに気づいておらず、すぐにザワザワとし始めた。
そして一斉に外へと出て行った。