第10章 1ページ完結物
All ? side
俺ってバカだからさ
ようやくわかったよ
あなたは俺のことなんてなんとも思っていないこと
何度もぶつけたこの想い
受け入れてくれたと勘違いした
ずっとあなたを見ていたから、あなたのことなら誰よりも知っているつもりだったけど
あなたの気持ちすら俺は気づいていなかったんだ
そう言えばあなたから会いたいって言われたことないね
いつも俺が側にいたいって言って
拒まないから同じ想いだと思っていた
たまに邪険にされたら聞き分けがいいフリをしてあなたを優先した
俺があなたに全て合わせてあなたが暇な時だけ遊ぶ
ただ便利で都合の良いヤツとしか思われてない
その事実に気づいてしまった今、あの日々は幻だったと気づかされた
思い返せばデートの時も
出掛ける約束をして楽しみだねなんて笑い合ってたのに
『ごめん、ごめん、今日だったっけ?』
俺との約束を忘れてしまうほどに
夢中なことがあるんでしょう
優先したい誰かがいるんでしょう
ほんとにバカだったよ
俺だけがあなたの特別だと本気で思ってたんだ
会えなくなってさらにあなたが恋しくなって
柄にもなくあなたに想われている誰かに嫉妬して
眠れない夜を幾度も重ねた
いつか忘れられるのかな
この心が晴れる時が来るのだろうか
End