第9章 M&O
All M side
これが恋だと気づいたのはいつだったのか
幼なじみのお兄ちゃんは口数は多くないけど優しくてしょっちゅう遊んでもらっていた
いつもふにゃんと笑ってて
手先がすごく器用で何でもできて
あんなふうになりたいって思った
憧れだった
3つ離れていたから中学、高校は一緒に通えなかったけど、少しでも近づきたかったから同じところへいった
さすがにこの歳になって遊んでもらうことはなくなったけど、一緒に出掛けたりは頻繁にしていた
一緒にいるだけで楽しくて笑顔を見るたびキュンとした
彼女なんかつくろうとも思わなかった
お兄ちゃんも女っ気はなかったし、いつでも俺を優先してくれたから、きっと深い関係の人はいなかったと思う
いつまでもずっと側にいられると思っていた