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【短編集】【HQ】純情セレナーデ

第15章 用心棒ときまぐれ姫 前日譚(菅原孝支)


そんなさんに憧れてどのくらい経つのかわからないが、ありがたくも横には立たせてもらえている。
今日はたまたま居合わせた他のクラスメイトとも帰ることになり、部活後の腹を満たしながらコンビニで買った軽食を食べながら広場に向かった。

「今年のバレンタインどうすんの?」
女子たちはそういう話でベンチで固まって話している。
野次を入れるかのように何人か絡みに行った。
「いいなー!義理でもいいからチョコ欲しいなー!」
「えー!?甘いの嫌いとか言ってなかった?」
「いや、そうなんだけど、それとは別で…」
「ちゃんは彼氏にあげるの?」
少し気がかりな話題が出たため、改めて聞き耳を立てる。
「あげない」
「うそー!?」
「私は常に貰う側でいたいから」
そういうイベントは好きじゃないかな、と付け足して、さんは作らない、買わない、の一点張りだった。
面倒でかわしてるだけなのかとも思ったが、本当に乗り気ではない顔をしているのがわかる。
なんとなく、勘だけど。
何故か少し安心する。
あげない、と言ったところで彼女の恋人がいるという事実は何一つ変わらないはずなのに。
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