第14章 レモンの花(木兎光太郎)
私の潔癖…というものは、虐めの一部から成り立った。
どちらかというと、脅迫概念から来るものだとお医者さんは言う。
私は汚いから、他人にものに触れてはいけないと、小さい頃に強く言われ、そこから始まった。
いつでも自分が汚く感じる。
自分の全てが気持ち悪い。
自分の触ったものも、嫌で仕方がない。
そんな私が触れた物を、他人はどう思うだろうか。
私が他人に触れて、その人はどれだけ傷つくだろうか。
そんなことを、いつも考えている……。
たった一人、そのトラウマとなった原因の日に、こうちゃんは私を助けてくれた。
だから、彼だけは、大丈夫。
そう思っていたのに。